ALIとARDS

ARDS(Acute respiratory distress syndrome):成人呼吸窮迫症候群

ALI(Acute Lung Injury):急性肺損傷

【定義】

    先行する基礎疾患をもち、急性に発症した低酸素血症で、

胸部X線写真上では両側性の肺浸潤影を認め、かつ心原性の肺水腫が否定できるもので、

PaO2/FiO2の値が300以下であれば ALI

さらにPaO2/FiO2の値が200以下であればARDSである。

※肺病変について、『両側性の浸潤陰影』が重要であり、『びまん性』でなくても良い。

 【ALI/ARDSの原因となる基礎疾患】

(1)直接損傷
<頻度の多いもの>肺炎、誤嚥、胃内容物の吸引
<頻度の少ないもの>
脂肪塞栓、吸入傷害(有毒ガスなど)、再潅流肺水腫(肺移植後など)、
溺水、放射線肺障害、肺挫傷

(2)間接損傷
<頻度の多いもの>敗血症、外傷、高度の熱傷(特にショックと大量輸血を伴う場合)
<頻度の少ないもの>
心肺バイパス術 、薬物中毒(パラコート中毒など)、急性膵炎、自己免疫疾患
輸血関連急性肺障害(TRALI)

【病態生理と発症機序】

ALI・ARDSは、 肺胞隔壁(血管内皮、肺胞上皮)の透過性亢進に基づく非心原性肺水腫である。
肺水腫によるシャントや拡散障害、また換気血流比の不均等分布により高度のガス交換障害が生じる。
さらに、
①肺血管の攣縮、②肺胞領域の組織破壊による器質的狭窄、③肺微小血栓による血管閉塞
④肺梗塞、⑤肺水腫による血管系の圧排

などが関与して、肺高血圧症をきたす。

【臨床所見】

①初期は労作性呼吸困難、進行と共に安静時の呼吸困難となり、
頻呼吸、低酸素血症となる。
②基礎疾患による炎症を反映して発熱、白血球増多を認めることが多い。
③多臓器障害を呈した場合は、各臓器の障害を反映した所見を呈することがある。
④多くは、基礎疾患の先行後12~48時間経過して発症する。(例外もある)

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