麻酔時の体位(腹臥位・仰臥位・側臥位・頭位)

全身麻酔では、体位による影響を強く受けるので、
様々な体位について、その特徴を暗記しなければならないそうです。

麻酔科研修では、指導医の先生方から必ず聞かれると思うので、
しっかり学習して暗記しておくと便利です。

(ⅰ)腹臥位
(1)循環について

①体位変換後に、血圧低下や徐脈が起こることがある。
②腹部の圧迫により、大動脈や下大静脈が圧迫される。

静脈環流量(VR)が減少し、前負荷が減少する。

心拍出量が低下し、血圧が低下する。

また、硬膜外静脈などの側副血行路の血流量が増加するため、
脊椎手術において、出血が増加する可能性がある。
さらに、硬膜外静脈の拡張により、脊柱管の狭小化が生じ、脊椎麻酔が高位になる可能性がある。

※適切な胸枕で軽減できる。

(2)呼吸
①腹部の圧迫により、横隔膜が頭側に移動し、腹部の圧迫とあいまって、
肺コンプライアンスが低下する。(わかりやすく言うと、肺が広がりにくくなる)

また、体重により、肋間筋による肺の陰圧化ができないため、肺胞内圧・胸腔内圧を高めにしないといけない。

気道内圧の上昇が起きる。

胸腔内圧が上昇や肺血管の圧迫により静脈環流量が減少する。

心拍出量が低下し、血圧が低下する。

②腹臥位では、下肺(肺底部)が広がりやすいため、

 機能的残気量(FRC:functional residual capacity)が増加する。

肥満者では、酸素化に対しては、腹臥位が有利となる

(ⅱ)仰臥位
・仰臥位では、肺活量(%VC)は10%低下し、機能的残気量(FRC)が低下する。

(ⅲ)側臥位
・上側の肺は換気が多く、血流は少ない。
・下側の肺は血流が多く、換気が少ない。
・胸腔内圧は下側の肺にかかりやすい。
よって、

 下側の肺は、分離肺換気開始後、FiO2を上げると無気肺を作りやすい。

・側臥位は臥位に比べて気道内圧が高くなる。

下側の肺が無気肺+血流↑でV/Qミスマッチになり、低酸素血症になりやすい。

→たまに数回押して換気する。自発呼吸でも肺胞が潰れるので、
PSV(圧支持法:pressure support ventilation)やPEEPをかけると良い。

・腋窩神経麻痺を防ぐために、腋窩(わきのした)枕を敷くと良い。

(ⅳ)頭高位
・静脈環流量↓により、血圧低下。補液、昇圧剤で対処する。

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